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古事記 天岩戸隠れ【神の喧嘩】~7つのミステリー~

どうも サムです!

 

前回は、アマテラス、スサノオ、ツキヨミ の豪華 三貴子みはしらのうずのみこが生まれました。

今回は、アマテラスとスサノオの世界を巻き込む壮大な兄弟喧嘩!天岩戸あまのいわと隠れ伝説のお話です!

 

ちょくちょく天岩戸隠れの話の中に、鎮座した場所や祖先の説明がありますが、古事記 独特のものとして気にせず見てください。

 

前回の 三貴子 の話しを まだ見ていない人はコチラ↓

古事記 天岩戸隠れ(あらすじ)

スサノオはイザナギから海原を治めることを命じられましたが、国を治めることはせず、ヒゲが胸まで伸びるまで泣いてばかりいました。

メッチャ長いこと (;゚Д゚) 泣いてたな…

スサノオが泣きじゃくることで青い山は 枯れ山となり、海や河は干上がってしまいました。

また、悪い神の声が夏のハエのごとく満ち溢れ、多くの災いが起こりました。

見かねたイザナギがスサノオに

「どうして、国を治めず泣いてばかりいるのだ?」

と尋ねました。

 

すると、スサノオは、

「私は亡き母のいる根之堅州国ふねのかたすくにに行きたいと思って泣いているのです。」

と答えました。 母ちゃんに。・゚・(ノД`)・゚・。 会いたいよ

 

これを聞いたイザナギはブチ切れて、

「ならば、お前はこの国に住んではならない!」

と言ってスサノオを追放しました。

 

そうして、このイザナギは淡海おうみの多賀 (滋賀県の多賀大社) に鎮座しています。

多賀大社

多賀大社

 

追放と言われたスサノオは、

「まずは、姉のアマテラスのところに行って挨拶をしよう。」

と言いました。

スサノオは追放されて心が荒ぶっているため、アマテラスがいる高天原たかまのはらに行こうと天に昇ると、山、川、国土が震えました。

なんか (#`皿´) イライラする 

 

アマテラスは、このことを聞いて驚き、

「私の弟のスサノオが ここに来るのは、きっと良からぬ思いがあり、私の国を奪おうと思っているのに違いない!」

と言って、直ぐに髪型を男性の髪型にして、背中には1,000本の矢、脇には500本の矢、肘にはともを装着して、弓を起こして完全武装して、雄叫びを挙げて待ち受けました。

武装したアマテラス(イメージ)

スサノオの姿が見えるとアマテラスは、

「なぜ、高天原に来たのだ?」

と尋ねました。

 

するとスサノオは、

「私に邪心はありません。ただ、父のイザナギから追放されたので挨拶しにきました。やましい心はありません。」

と答えました。ネーちゃん (((( ;゚д゚))) 戦う気満々やん

 

「ならば、あなたの心が清らかであることは、どのようにして知れば良いのか?」

とアマテラスが言うと、スサノオは「お互いが誓約うけいをして子を産みましょう」と提案しました。

 誓約とは (^-人-^)  占いの一種

誓約をするアマテラスとスサノオ

アマテラスとスサノオは、天の安河あめのやすのかわを挟んで立ちました。

そして、アマテラスがスサノオの十拳剣を取って、3つに折って天之真名井あめのまないの水ですすぎ、噛みに噛んで吹き出した霧から三柱の神が生まれました。

 ・多紀理毘売命たきりびめのみこと(別名:興津島比売命おきつしまひめのみこと

 ・市寸島比売命いちきしまひめのみこと(別名:狭依毘売命さよりひめのみこと

 ・多岐都比売命たきつへめのみこと

 

今度は、スサノオがアマテラスの左の髪に巻いてあった勾玉を取って、天之真名井あめのまないの水ですすぎ、噛みに噛んで吹き出した霧から神が生まれました。

右の髪に巻いてあった勾玉も取って、同じように水ですすぎ、噛んで吹き出した霧から神が生まれました。

御鬘、左手に巻いてあった勾玉、右手に巻いてあった勾玉も、噛んで吹き出した霧から神が生まれました。

 ・正勝吾勝勝速日天忍穂耳命まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと

 ・天之菩卑能命あめのほひのみこと

 ・天津日子根命あまつひこねのみこと

 ・活津日子根命ひくつひこねのみこと

 ・熊野久須毘命くまのくすねのみこと

 

誓約うけいが終わるとアマテラスは、

「後に生まれた五柱の男の神様は私の物から生まれたので私の子です。先に生まれた三柱の女の神様はあなたの物から生まれたのであなたの子です。」

と言いました。

 

誓約で生まれた 多紀理毘売命たきりびめのみこと宗像大社むなかたたいしゃの奥津宮に鎮座され、市寸島比売命いちきしまひめのみことは宗像大社の中津宮、多岐都比売命たきつへめのみことは宗像大社の辺津宮に鎮座し、この三柱は宗像大社三女神です。

同じく誓約で生まれた天之菩卑能命あめのほひのみことの子である建比良鳥命たけひたろりのみことは、出雲国造、无邪志国造、上菟上國造、下菟上國造、伊自牟國造、津島縣直、遠江國造らの先祖です。

また、天津日子根命あまつひこのねのみことは、凡川内國造、額田部湯坐連、茨木國造、倭田中直、山代國造、馬來田國造、道尻岐閇國造、周芳國造、倭淹知造、高市縣主、蒲生稻寸、三枝部造らの祖先です。

誓約で生まれた神

するとスサノオは、

「私の心は清く明らかであるため、心が優しい女の子が生まれたのです。私の勝ちだ!」

と勝利を宣言して、

アマテラスの田のあぜを壊し、溝を埋め、新嘗祭にいなめさいを行う神聖な御殿にウンコをまき散らして高天原たかまのはらで大暴れしました。

このスサノオの酷い行いにも関わらずアマテラスは、これを咎めることはせず、

「ウンコをまき散らしたのは酔って吐いたものでしょう。田のあぜを壊し溝を埋めたのは土地が勿体ないと思ったのでしょう」

とアマテラスは、スサノオを庇いました。 ウンコまき散らすって Σ( ̄□ ̄|||) どうゆうことよ

しかし、スサノオの悪態はひどくなる一方。

アマテラスが機織り小屋にて神に捧げる服を織らせているとき、スサノオは機織り小屋の屋根に穴を開けて、皮を剥いだ馬を落とし入れました。

その時、天服織女あめのはとりめ(機織り女)がビックリして(機織の道具)で、女性器を突き刺して死にました。 

死に方の \( ̄ー ̄;) クセが強い

これにはアマテラスもお怒りになり、天岩戸あめのいわとの中に引きこもってしましました。

ウンコをまき散らすスサノオ(イメージ)

すると高天原たかまのはら と 葦原中国あしはらのなかつくに は闇に包まれました。

その闇に乗じて邪神の声が夏のハエのように満ち溢れ、あらゆる禍が起こりました。

 

八百万やおよろずの神は困って、天の安河あめのやすのかわ の河原に集まって考えを巡らせましたが、良い考えは浮かばないので、知恵の神様である思金神おもいかねのかみに相談することにしました。思金神高御産巣日神たかみむすひのかみの子です。

 

思金神は、祭りに乗じてアマテラスを天岩戸から出すという作戦を考えました。

思金神の作戦

まず常世の長鳴鳥ながなきとり(ニワトリ)を集め一斉に鳴かします。

ニワトリは朝に鳴く鳥なので (*゚∋゚) 太陽を呼ぶ鳥として考えられている

次に天の安河あめのやすのかわの上流にある堅石を取り、金山の鉄を取り鍛冶屋を探し 伊斯許理度売命 いしこりどめのみことに鏡を作らせました。

また、玉祖命たまのおやのみことに勾玉を作らせました。

この時作られた、鏡がと勾玉が、「三種の神器」の 八咫鏡やたのかがみ 八尺瓊勾玉やさかにのまがたま になります。

そして、天児屋命あめのこやねのみこと と 布刀玉命ふとたまのみこと  を呼んで、天香山の鹿の骨を抜き取って、天香山のカニワ桜を取ってきてその骨を焼いて占い、にぎやかな祭りが始まりました。

天香山のさかきを根っこごと掘り出して、上の枝に 八尺瓊勾玉やさかにのまがたま を取り付け、中の枝には 八咫鏡やたのかがみ を取り付け、下の枝には木綿と麻を取り垂らし、これらを布刀玉命が持って、天児屋命が祝福の祝詞のりとを読みました。

アマテラスが隠れている天岩戸のスグ近くには、腕力の神様 天手力男神あめのたぢからおのかみ が隠れ、戸が開くのを待ちました。

神楽が始まり、天宇受売命あめのうずめのみこと が踊ります。天香山の日陰鬘ひかげかずらをタスキにして、天之真析あめのまさき(植物のツル)を髪飾りにして、笹の葉を束ねて持って、逆さまにした桶を踏み鳴らし、神懸かりしてオッパイをあらわにして、服のヒモが陰部のところまで押し下げました。

古代の ( *´艸`) ストリップショー

踊り狂う天宇受売命

すると、高天原がどよめき、八百万の神が どっと一斉に笑いました。

この時、アマテラスは「なんだろう?」と思って、少しだけ天岩戸を開け、

「私が隠れて高天原葦原中国が暗闇になっているのに、天宇受売命あめのうずめのみこと は踊り楽しみ八百万の神も笑っているのは、どうゆうこと?」

と問いかけました。

すると天宇受売命は「あなた様より尊い方がいらっしゃいますので、喜んで楽しんでいるのです。」と答えました。

そうしている間に天児屋命あめのこやねのみこと と 布刀玉命ふとたまのみこと 天岩戸 の隙間に 八咫鏡やたのかがみ  を差し入れました。

アマテラスは鏡に映る姿を見て、自分と同じような太陽の神が別にいると勘違いし、もう少しシッカリと見ようと天岩戸から外を覗こうとして瞬間、戸の近くに隠れていた天手力男神あめのたぢからおのかみが、アマテラスの手を掴んで外へ引き出し、すかさず布刀玉命が後方にしめ縄を張って「これより中には戻れません」と言いました。

こうして、アマテラスが天岩戸から出てきたので、高天原たかまのはら と 葦原中国あしはらのなかつくに に再び光が戻ってきました。

あらすじ まとめ

  • スサノオの国を治めず泣きわめく
  • イザナギ 泣いてばかりのスサノオにブチ切れ
  • イザナギ、スサノオを追放する
  • 追放されたスサノオ、姉のアマテラスに挨拶しに行く
  • アマテラス自分の国を奪いにスサノオが来たと勘違いする
  • アマテラス完全武装でスサノオを待ち受ける
  • そんなつもりはないとスサノオ弁明するが聞き入れてもらえず
  • 誓約うけいでスサノオが嘘を付いていないことを証明する
  • 勝敗の基準を決めないまま誓約開始
  • 女の子が生まれたので「俺の勝ちだ!」とスサノオが宣言
  •  スサノオが高天原で暴れまくる
  • アマテラスがスサノオを庇うが、スサノオのせいで 天服織女あめのはとりめ が死んでしまう
  • 弟のスサノオが暴走がひどすぎるので、アマテラス 天岩戸に引きこもる
  • 世界が闇に包まれて みんな大騒ぎ
  • 思金神おもいかねのかみ の作戦で 八咫鏡やたのかがみ 八尺瓊勾玉やさかにのまがたま を作り、天宇受売命あめのうずめのみこと が踊りまくる
  • 自分が引きこもっているのに、みんなが楽しそうなのが悔しくて天岩戸から外を覗く
  • 外を覗いた隙に天手力男神あめのたぢからおのかみ に引っ張られ天岩戸からアマテラスが出てくる
  • 世界に再び光が差し込む

 

古事記 天岩隠戸 ~7つのミステリー~

さすが神様の喧嘩!

まさか世界も巻き込まれるとは。

それにしても、神様でも引きこもることがあるのですね。

1. 根之堅州国とは何?

死後の世界(イメージ)

スサノオは「母のいる根之堅州国ふねのかたすくに」と言っているので、根之堅州国は死後の世界だと思います。

なので、根之堅州国 = 黄泉の国 であると考えるのが自然ですが、わざわざ違う言い方するのは別の場所を示しているのかもしれません。

しかし、黄泉の国はイザナギが千引の岩で塞いで行けなくなってしまいました。

もしかしたら死後の世界は、複数の世界があって根之堅州国から黄泉の国へ行けるルートがあるのかもしれません。

 

2. 神でも心の中はわからない

スサノオが高天原に行くとき、アマテラスはスサノオが邪心があると思っていました。

なので、最高神であるアマテラスでさえ、心の中までは分からないということです。

神社で神主さんが祝詞のりとを挙げるとき声に出すのは、しっかりと神に願いを伝えるためですね。

 

3. 誓約

誓約うけいは、誓約を始める前に勝ち負けの基準を決めて吉凶を判断する占いです。

今回のアマテラスとスサノオの誓約についても、本来は勝敗の基準を決めるものですが、その基準を決めずに行ったので勝ち負けが曖昧になっています。

女の子を産んだから「勝ち」という取り決めはなかったのに、スサノオが「私が勝った」と宣言したため、なんとなくスサノオが勝ちとなりました。

 

4. 天岩戸隠れは皆既日食

皆既日食

太陽神であるアマテラスが岩戸に隠れたことにより世界が闇に包まれ、アマテラスが岩戸から出てきたら世界が再び光を取り戻した流れは、皆既日食を神話化している説があります。

現代は天体ショーとして皆既日食を楽しめますが、古代の日本では太陽の光がなくなるのは大事件として、神話として残したストーリかもしれません。

天文学者の計算では、西暦247年と248年の2年連続で日本で皆既日食が観測できた可能性があるとのことです。

そりゃ、2年連続で太陽が隠れたとなれば、大騒ぎとなり神話として語り継がれても不思議ではない気がします。

 

5. アマテラスのモデルは邪馬台国の女王 卑弥呼

卑弥呼

天岩戸隠れは日食を表しているのではなく、邪馬台国の女王 卑弥呼が死んだことを表している説もあります。

アマテラスと卑弥呼は、どちらも 女性の統治者であり未婚で弟がいるなど共通点が多く、同一人物として考えられている説があります。

また、「日の巫女」がヒミコとなり、魏志倭人伝ぎしわじんでんでは当て字で「卑弥呼」となっているとすれば、太陽神であるアマテラスとリンクします。

魏志倭人伝には、「倭人わじんは人が亡くなった時、喪主は泣いて他の人は歌って踊って飲食する」との記述があり、岩戸の前で 天宇受売命あめのうずめのみこと が踊る場面が当てはまります。

ちなみに、天皇や神などの高位の方が亡くなることを「隠れる」と言いますので、天岩戸の隠れの「隠れ」は「死」を意味しているとも取れ、天岩戸隠れの話は、当時の日本を統治していた権力者が亡くなったことを神話化したのかもしれません。

その権力者こそが、邪馬台国 卑弥呼ではないかという説です。

 

たしかに、邪馬台国は、西暦247年~248年に敵国の 狗奴国くなこく との戦があり、もしこの戦いで卑弥呼が死んだとしたら、西暦247年~248年の皆既日食の時期とも合い、より一層 卑弥呼=アマテラス が濃厚な説に思えます。

ですが、古事記にも日本書紀にも、「卑弥呼」や「邪馬台国」という言葉は一切出てこないのが、最大のミステリーです。

古事記に邪馬台国の記載がないことはコチラでもサラッと書いてます。よかったらご覧ください。

 

邪馬台国の場所や卑弥呼については、別記事にまとめますので、乞うご期待!

 

6. 天服織女(機織り女)の死

スサノオがウンコをまき散らしたりと悪行しまくり、皮を剥いだ馬を機織り部屋に放り込んで天服織女あめのはとりめ が死にましたが、実は天服織女の死はアマテラスの死を表している説があります。

天服織女の死んだ後アマテラスは天岩戸に隠れる一連の流れが、アマテラスの死を表現しています。

また、アマテラスは天岩戸に隠れたときの「邪神の声が夏のハエのように満ち溢れ」の表現は、「ハエ=遺体がある」 を表しているように思えます。

天服織女は、(機織の道具)が突き刺さって死んだと書かれていますが「梭」は「矢」と置き換えられます。

つまり、天岩戸隠れは、スサノオが放った矢がアマテラスに刺さり、アマテラスが死、その後アマテラスが復活する物語なのかもしれません。

 

7. 三種の神器

三種の神器(イメージ)

今回の岩戸隠れ伝説では、三種の神器八咫鏡八尺瓊勾玉 の2つが初登場する大事なシーンです。

皇位のしるしとして、代々天皇が伝承する3つの宝物 三種の神器。

三種の神器は、八咫鏡草薙剣くさなぎのつるぎ(別名:天叢雲剣あめのむらくものつるぎ)、八尺瓊勾玉の3つを指します。

天皇の即位したしるしでもあるのに、天皇ですら実物を見たことがないと言われおり、もちろん、実物写真もありません。

また、八咫鏡草薙剣は、本物と形代の2つ存在し、形代というのは分かりやすく言うとレプリカです。

 

現在、三種の神器は、それぞれ別の場所に安置されています。

▼八咫鏡

 本物:伊勢神宮 内宮

 形代:皇居賢所

▼草薙剣

 本物:熱田神宮

 形代:皇居御所 剣璽の間

▼八尺瓊勾玉

  本物:皇居御所 剣璽の間

 

また、三種の神器は、源平合戦で壇ノ浦だんのうらに沈んだり、盗難にあったり、火災にあったりと、色んな困難に合われています。

三種の神器も いくつものミステリーがある、とても魅力的な宝物です。

三種の神器のミステリーも、別記事にまとめますので、乞うご期待!

 

 

「喧嘩するほど仲が良い」なんて言いますが、皆さんも喧嘩は ほどほどに。

ウンコは投げちゃ(≧▽≦)ノ ダメだよ

 

 

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