どうもサムです!
前回は、スサノオの悪行に手を焼いたアマテラスが天岩戸に隠れ世界が闇に包まれましたが、なんとか岩戸から出てもらい世界に光を取り戻せました。
今回は、そんな悪行高いスサノオが大活躍するエピソードです。
あの有名な八岐大蛇(ヤマタノオロチ)が登場します!
前回の 天岩戸隠伝説 の話しを まだ見ていない人はコチラ↓
どうも サムです! 前回は、アマテラス、スサノオ、ツキヨミ の豪華 三貴子みはしらのうずのみこが生まれました。 今回は、アマテラスとスサノオの世界を巻き込む壮大な兄弟喧嘩!天岩戸あまのい ... 続きを見る
古事記 天岩戸隠れ【神の喧嘩】~7つのミステリー~
目次
古事記 ヤマタノオロチ (あらすじ)
アマテラスが天岩戸に隠れたのは、スサノオの悪行が原因でした。
八百万の神は、罰としてスサノオに たくさんの品物を差し出させ、髭を切り、手足の爪を抜いて、高天原から追放しました。
高天原を追放されたスサノオは、穀物の神様 大宜都比売神(オオゲツヒメ) の所に寄って、食べ物を求めました。
オオゲツヒメは、自分の鼻、口、肛門からさまざまな食べ物を出し、綺麗に盛り付けをして差し出しました。
これを見たスサノオは、「俺に汚物を食わせる気か!」とブチ切れて、オオゲツヒメを斬り殺しました。
キレる理由は分かるが (゚ー゚;) 殺さなくても…
なんと、殺されたオオゲツヒメの遺体から次々と食べ物が現れました。
頭から蚕、目から稲、耳から粟、鼻から小豆、陰部から麦、お尻から大豆。
これらの食べ物を 別天神の一柱である 神産巣日神が拾い上げ、地上に種を蒔きました。
これが O(≧∇≦)O 五穀の起源!
そのころスサノオは、出雲国の斐伊川の上流にある鳥髪という所に降り立ちました。
すると、川から箸が流れてきたので、スサノオは この川の上流に誰かが住んでいると思い上っていきました。
川の上流に着くと老夫婦が娘を挟んで泣いていました。
泣いている老人に名前を聞くと、
「私は国津神 大山津見神の子供で名前は足名椎(アシナヅチ)、妻は手名椎(テナヅチ)、娘は櫛名田比売(クシナダヒメ)と言います」
と答えました。
さらに泣いている理由を聞くと、
「私たちには8人の娘がいたのですが、ヤマタノオロチが毎年やってきて、娘を一人ずつ食べてしまうのです。残りは1人になってしまい、今年もヤマタノオロチがやってくる時期になったので泣いているのです」
と答えました。
ヤマタノオロチは、どのような形をしているかを尋ねると
「目はホオヅキのように真っ赤で、頭は8つ、しっぽが8つ、体にはコケ、ヒノキ、スギが生え、大きさは8つの山と8つの谷にまたがるほどの大きさで、お腹には常に血が流れています」
とヤマタノオロチの姿を説明しました。
するとスサノオが、「娘と結婚させてくれえるならヤマタノオロチを退治してあげよう」と言うと、
老人から「あなたのお名前は?」と質問が来たので、
「私はアマテラスの弟で今 天から降りてきたところだ」と答えました。
それを聞いたアシナヅチはとテナヅチは、スサノオの提案を聞き入れました。
スサノオは、クシナダヒメを櫛に変えて、自分の髪に挿してヤマタノオロチ退治の準備に取り掛かります。
まず、スサノオは、アシナヅチはとテナヅチに
「8回 醸造を繰り返した強い酒を用意し、家の周りに垣根を作って、その垣根に8つの穴を空けて、穴ごとに酒船を置いて、強い酒を入れて下さい」
と指示を出しました。
そして準備を終えて待っていると、ヤマタノオロチが現れました。
ヤマタノオロチは、8つの頭をそれぞれ垣根の穴に突っ込んで、ガブガブと強い酒を飲み始めました。
しばらくすると、ヤマタノオロチは酒によって寝てしまいました。
ここでスサノオは、十拳剣 を抜いてヤマタノオロチの首を切り落としました。
その時、斐伊川 は真っ赤に染まりました。
スサノオがヤマタノオロチのしっぽを切り落とした時に、何か堅いものにあたり 十拳剣 の刃が欠けました。
不思議に思って、しっぽの中を調べてみると、とても神々しい剣が出てきました。
この剣が三種の神器の 天叢雲剣(別名:草薙剣)です。
スサノオは 天叢雲剣 をアマテラスに献上しました。
ヤマタノオロチ退治を終えたスサノオは、出雲地方でクシナダヒメと暮らす場所を探していると、出雲の須賀に着いたとき「私はこの地に来て、とてもすがすがしい」と言って、この地に宮殿を建てました。
このことから、この地のことを「須賀」という地名になりました。
世界初の w( ̄▽ ̄;)w ダジャレ
スサノオが宮殿を建るとき、その地から雲が立ち上ったので、スサノオは歌を詠みました。
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を
日本初の (≧▽≦)和歌
スサノオはアシナヅチを呼んで「お前をこの宮殿の首長にする」と言って、稲田宮主須賀之八耳神 との名前を与えました。
スサノオとクシナダヒメの間に子どもが生まれました。
その子は 八島士奴美神 と言います。
また、スサノオは、大山津見神の娘の神大市比売とも結婚し、神大市比売 との間に 大年神 と 宇迦之御魂神の二柱の神を生みました。
当時は d(>ω<`) 一夫多妻制度
大山津見神の娘 木花知流比売 と 八島士奴美神 の間に 布波能母遅久奴須奴神 が生まれ、、、
複雑なので省略 m(。≧Д≦。)m 下の系譜参照してね
そして、スサノオの6世孫に 大国主神 が生まれました。
大国主神には、別名が4つもあります。
- 大穴牟遅神
- 葦原色許男神
- 八千矛神
- 宇都志国玉神
あらすじ まとめ
- スサノオ高天原から追放される
- オオゲツヒメに食事を振る舞われる
- 食べ物はオオゲツヒメの口や鼻や肛門から出たものと知る
- 「汚物やないかい!」とスサノオがブチ切れる
- スサノオがオオゲツヒメを斬り殺す
- オオゲツヒメの痛いから五穀が生まれ地上が豊かになる
- スサノオは出雲国の斐伊川の上流に降り立つ
- 泣いているアシナヅチとテナヅチとクシナダヒメに会う
- ヤマタノオロチの情報を入手
- クシナダヒメと結婚を許す代わりにヤマタノオロチを退治することを引き受ける
- ヤマタノオロチを酒に酔わせて退治する
- ヤマタノオロチのしっぽから 天叢雲剣 が出てくる
- 天叢雲剣をアマテラスに献上する
- 須賀の地で「すがすがしい」とダジャレをいう
- 須賀に宮殿を建てるときに雲が立ち上る
- 雲が立ち上ったのでスサノオは日本最古の和歌を詠む
- アシナヅチを宮殿の長にする
- アシナヅチの名前を改名する
- スサノオの6世孫として大国主神が生まれる
古事記 ヤマタノオロチ ~5つのミステリー~
高天原では追放されるほど悪行を行っていたスサノオですが、ヤマタノオロチ退治では英雄のような立ち振る舞い。
どん底から這い上がる日本最古のサクセス・ストーリーです。
今回もヤマタノオロチ退治に隠されたミステリーをサクッと紹介します。
1. 世界初の罰則を与えられたスサノオ
悪行により高天原を追放されたスサノオ。
罰として品物の提示、髭を切り・手足の爪抜き、追放を受けました。
品物の提示は罰金刑。
髭を切り・手足の爪抜きは清めの意味もありますが、その人の力を削ぐ意味もあり、体罰刑にあたるとも言われています。
2. オオゲツヒメとのエピソードからスサノオはツクヨミと同一人物?
日本書紀では、ツクヨミが保食神 が口から料理を出したことにブチ切れて 保食神 を斬り殺し、保食神の遺体から米や麦などが生まれ、地上に豊かな穀物がもたらされることとなりました。
この日本書紀のエピソードとオオゲツヒメのエピソードは、登場人物に違いがあれど話の流れは同じです。
このことから、スサノオとツクヨミは、同一人物と考えられることもあります。
また、日本書紀では、ツクヨミが保食神を殺したことから、アマテラスがブチ切れます。
これも、天岩戸隠れでのアマテラスがスサノオの行いに怒る話とリンクするように思えます。
古事記も日本書紀でも、三貴神であるにも関わらずツクヨミの登場シーンが極端に少ないのは、もともとはツクヨミの活躍する話をスサノオとして書かれているのかもしれませんね。
ツクヨミが生まれたエピソード と ツクヨミと保食神 のエピソードはコチラ↓
ツクヨミと保食神のエピソード:https://7coro-8gami.com/kojiki-sankishi/#i-5
3. ヤマタノオロチの正体とは?
ヤマタノオロチは、アシナヅチの説明にあった通り、首が8つある怪物です。
ただ、このヤマタノオロチは何かを神話化している説がありますので、ユルッと紹介します。
ヤマタノオロチは川の氾濫を表している説
スサノオが降り立った斐伊川は、昔、度々洪水を起こし、その地に住んでいる人を困らせていました。
毎年、同じ時期にヤマタノオロチがやってくるのは、洪水が起こる時期をさしてるのではないのかと思います。
この斐伊川が支流が多いので、頭としっぽが8つ(たくさん)あるヤマタノオロチの姿と似ています。
また、体にはコケ、ヒノキ、スギが生えているのも、川のことを指しているなら納得できます。
ヤマタノオロチが来るたびに娘が1人ずつ食べられるのは、洪水を鎮める「生贄」を指しているのかもしれません。
それから腹が赤いのは洪水で大勢の人が亡くなったことを表しているとか、斐伊川には砂鉄が良く取れるので洪水が起こると鉄の赤色が川の色になるとかヤマタノオロチの特徴と一致します。
そのため、スサノオがヤマタノオロチを退治したのは、この地を治水事業にて洪水被害をなくしたことを表しているエピソードと読めます。
ちなみに、川を司る神は「龍神」とされていることが多いので、ヤマタノオロチが龍のような姿をしているは、そのためかもしれません。
神秘的なエピソードを言うと、スサノオを主祭神とする神社の地域は水害に強いと言われており、2011年3月11日に起こった東日本大震災の津波でもスサノオを主祭神としている神社は被害を免れたと言われています。
ヤマタノオロチは製鉄技術のことを表している説
古代の出雲地方では製鉄技術が発達しており、実際に島根県から大量の鉄剣や古代たたら場の跡地が発見されています。
製鉄時に溶けた鉄がウネウネと下る様子 や 下で溶けた鉄が溜まっている様子から、ヤマタノオロチが龍のような姿で腹が赤く染まっていると表現されているのかもしれません。
目がホオヅキのように赤いのは製鉄時に炎を見る人の目を表し、大きさが山8つ谷8つは砂鉄などの製鉄の材料を広大な山や谷から取っていることを表しているとも考えられます。
しっぽから 天叢雲剣 が出てきたのも、高度な製鉄技術があったことを示しているように思えます。
ヤマタノオロチは大和朝廷が出雲国を支配したことを表している説
とても有名なヤマタノオロチ伝説ですが、不思議ことに「出雲国風土記」という、出雲地方に伝わる伝承をあつめたものには、ヤマタノオロチの話はありません。
もしかすると、出雲国の製鉄技術を手に入れたい大和朝廷が、出雲国の人を酒に酔わせて倒し、服従の意味として 天叢雲剣 を献上させたとすると、ヤマタノオロチ伝説のエピソードと一致します。
たしかにアマテラスに追放されたスサノオが、宝のような 天叢雲剣 を献上するのは不自然ですが、「献上させた」とするなら納得できそうです。
なので、大和朝廷に取って都合の悪いようなことが書かれないよう、大和朝廷が「出雲国風土記」にヤマタノオロチ伝説を書かせなかったのかもしれません。
他にも朝鮮半島から製鉄技術を奪いに来た集団をスサノオが追い払った説 や 朝鮮半島からスサノオが来てスサノオが製鉄技術を広めた説など、色んな説があります。
4. 日本最古の和歌の作者はスサノオ
日本最古の和歌は、スサノオが須賀の地で宮殿を建てるときにスサノオが詠いました。
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を
この和歌の意味は、次の通りです。
八雲立:すばらしい雲がたくさん立ち上っている
出雲八重垣:その立ち出ずる雲が作る幾重もの垣
妻籠みに:妻を籠らせるために
八重垣作る:八重垣を作る
その八重垣を:その八重垣のすばらしさよ
要は、妻を厳重に守るために八重垣を作るよっていう和歌です。
5. 大国主神がスサノオの6世孫である理由
スサノオから大国主神の系譜は下の図の通りです。
複雑ですが、大国主神はスサノオの6世孫です。
古事記編纂している時代では、王位継承権をもつのは皇子の5世孫までとされていました。
そのため、大国主神は高天原も葦原中国も統治する権利を持っていない神と設定されていることになります。
この設定は、後の国譲りで大国主神がアマテラスへ国を譲る正当性を持たせる効果があります。
また、大国主神はアマテラスと親戚関係にもなるため、大国主神がアマテラスへ国を譲る正当性をさらに持たせます。
スサノオが高天原から追放されたのはアマテラスが天岩戸に隠れるほどの悪行したからですが、
追放されたスサノオは天津神から国津神になり、悪行して追放されたスサノオには、そもそも統治権がなく、その孫の大国主神にも同じく統治権はないことを表したかったのかもしれませんね。
兎にも角にも古事記と日本書記は、天皇が日本を統治する正当性を広めることが最大の目的とも言われている書物なので、このような設定を意図的に盛り込んだとしても不思議ではありません。
天津神と国津神はコチラでサラッと書いてます。よかったらご覧ください。
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